【写真:河村誠一記録員】
OBOG TOPICSコンテンツでは、立教大学野球部・立教大学のOBOGであらやる分野で活躍する方々をご紹介していきます。
第2回目となる今回は、東京六大学野球連盟に所属し公式記録員としてご活躍されている河村誠一さん(S62年卒)をご紹介いたします。
河村誠一さん(S62年卒) 公式記録員歴 5年
①公式記録員のお仕事について教えてください
東京六大学野球の公式記録員は各大学から1名が東京六大学野球連盟の連盟役員として任命されています。
公式記録員は、「記者席内の所定の位置で試合の記録をとり、記録に関する規則(公認野球規則9章)の適用に関して、例えば、打者が一塁に到達した場合、それが安打によるもの失策や野手選択によるものかなどを、独自の判断で決定する権限をもつ。」とされています。
六大学では記者室内の中央、球審の真後ろの席が公式記録員席になっています。
役割は試合中のプレーをスコアシートに記録し連盟事務局に報告すること、安打・失策・野手選択などすべてのプレーについて判断し決定することです。
公式記録員は各試合1名で行います。
仕事の流れは、試合開始前にメンバー表の提出を受け、公式記録員の仕事が始まります。
まず、スコアシートに先発メンバー、審判員などを記入し準備します。
球審のプレーの宣告により試合が開始されますが、試合開始時刻を確認し、記者室内にマイクで開始時刻を放送します。試合が開始されると投球ごとにスコアシートに記録し、打者が出塁するとそれが安打によるものか失策によるものかを判定し、電光掲示板に「H」や「E」を表示させます。
イニング毎に投球数・打数・安打などを集計しスコアシートへ記録します。
複雑なプレーや走者の進塁、ワイルドピッチ・パスボールの判定などは必要に応じてマイクを使って放送します。
試合終了時には終了時刻を確認し、開始時同様マイクで放送します。
試合終了後の作業は打者一人ごとに打数・安打・打点・得点などを投手については投球回数・投球数・被安打・与四死球・失点・自責点などを集計しスコアシートを完成させ、連盟事務局へ報告します。勝利投手、敗戦投手の決定も公式記録員が行います。
スコアシートは事務局で確認後、公式記録として報道機関の記者に配布されます。
②公式記録員になったきっかけを教えてください
先輩OB(窪田雅也さん=S60年卒)からお声かけいただいたことがきっかけです。
卒業後しばらくは立教大学野球部やOB会に携わることがなかったのですが、長男(拓=H26年卒)、次男(怜=H28年卒)が立教大学野球部に入部し、神宮に足を運ぶ機会ができ、父母会の会長をさせていただいたことで、先輩OBの方々と接する機会も増えました。次男が卒業するタイミングで先輩OBの方からアスリート入試のサポートをお願いできないかとお声掛けいただき、2016年からサポートさせていただきました。前公式記録員の塚本公二さん(S55年卒)が現役のコーチに就任されるのに際し、OB会で後任を探されていた時に一緒にアスリート入試のサポートをされていた先輩から公式記録員をやってみないかと声をかけていただきました。
③公式記録員としてのやりがいを教えてください
好きな野球を特等席で観戦することができ、自身が記録したスコアシートが公式記録として残り、そして東京六大学野球の様々な記録に立ち会えること。
最近では明大宗山選手の通算100安打達成がありました。記録がかかる試合はより緊張感が高まります。先日の慶大対東大戦では東大投手が5回までパーフェクト、6回に四球を与え、7回に安打され記録達成はなりませんでしたが、記者室はざわつきました。こうした緊張感も良いものです。
何より自身の原点とも言える東京六大学野球、立教大学野球部に携われていることです。
④公式記録員として大切にしていることはありますか?
常に冷静に公正・公平な判定を速やかに行うこと。
一つの試合の中で数多くのプレーを判定しますが、選手にとっては貴重な1プレーあることを意識し、一つ一つのプレーを大切に判定できるよう心掛けています。
⑤公式記録員のお仕事が普段のお仕事やプライベートに活かされたエピソードを教えてください
公式記録員の仕事も社会人としての仕事においても求められる要素に共通するところが多いと思います。
これから起こりうるプレーを想定して準備する。そして的確に判断して決断を下す。
公式記録員として社会人として相互に自分自身を高めあえています。
⑥OBOGに向けて一言お願いします
私もそろそろ還暦を迎える歳になりますが、自身の人生において立教大学野球部で過ごした4年間は多くのことを学ばせていただいたかけがえのない時間だったと振り返っています。今こうして立教大学野球部に携わり神宮球場などで先輩、後輩OBOGの方々とお会いしお話しすることができることをとてもうれしく思っております。
こうした機会を作っていただいたOBOG会への感謝し、これからも野球部にできる限りの恩返しができればと思っております。
OBOG会の方々へは是非とも神宮球場へ足を運んでいただき、野球部を応援するとともにOBOGの懇親を深めていただければと思っております。
公式記録員の存在はあまり知られていないと思いますが、これからも公正・公平な判定ができるよう精進して参ります。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
※公式記録員歴は記事執筆当時のものです(2024/10/15)
普段知ることの出来ない公式記録員さんのお仕事も知れて、更にリーグ戦の楽しみが増えました。
きっかけとなった親子(父・兄・弟)のエピソードも素敵ですね。
次回のOBOG活躍紹介もお楽しみに!